2011年11月21日

江國香織:金平糖の降るところ

手袋をせずに自転車に乗ることは
不可能になってきました。
寒いですね~。
風邪などひいていらっしゃいませんか?

大根とネギをしっかり食べねば!

週末読んだ江國香織さんの最新作
『金平糖の降るところ』。

やっぱり江國さんの書く文章が大好きです。
学生の頃は、江國さんの書く記憶や香り
身の回りのアイテムをつかった女性らしい
比喩表現が大好きで、
大学までの電車の中でいつも読んでいました。

江國さんの作品は本当に久しぶりに読んだのですが、
変わらず柔らかく優しく、まるで映画を観ているような表現に
時間を忘れて一気に読んでしまいました。
といってもこの小説に出てくる人物の中で、
私が共感できる人が一人もいないのですが、、、。

帯の文章から、
<少女の頃、恋人を<共有すること>を誓った
姉妹の運命は・・・。>ですもの(笑)

理解は全くできないのですが、こんな風に考える人たちが
いるのかなぁと、小説を読むと
少しだけその人物になって、
登場人物のことを理解しようとするから
小説って面白いですよね。

彼女たちが切り取る世界が、
なんだか不思議でもあり美しくもあり。
こんな風な感覚を持ち合わせている人が
もしかすると存在するのかもしれません。
(きっと存在するんだろうなぁ。)

アルゼンチン・ブエノスアイレスと東京を舞台に
華麗なるスケールで描かれる『金平糖のふるところ』。
恋愛小説な苦手な方にはおすすめしませんが、
お好きな方はぜひ読んでみてください。
“土を掘ってここで埋めた金平糖が、アルゼンチンにいる人たちの
夜空に散らばって星になる。
だからここで見る星は、日本に住んでいる誰かが、
日本の地面に埋めた金平糖なんじゃないか”という
表現がでてくるのですが、ここがとってもお気に入り。
こんな風に考えられたら楽しくって素敵ですよね。