特撮塾@ふくしま~福島空港公園「21世紀建設館」
水曜日のRADIO GROOVEは、
夏休み企画。“今、失われつつある日本の文化
特撮”にスポットをあててお届けします。
映像技術の一つである“特撮”ですが
特撮の歴史を振り返っていくと
私たちが考えているものとは
違った“文化”としての顔があるとのこと。
日本発のアニメ、マンガを始めとする
ポップカルチャーは今、海外からも
多くの注目を集めていますよね。
そんな世界中が注目する日本の
ポップカルチャーの中から、
特撮影響を受けていないものはないのでは
ないかと言われるほど、
特撮は多くのポップカルチャーに
影響を与えています。
そして、そんな特撮文化を牽引する
多くのクリエーターが神と崇める人物が
福島県須賀川市出身の故円谷英二監督です。
怪獣王「ゴジラ」の生みの親の一人であり、
ウルトラマンの生みの親でもありますよね。
そんな円谷英二監督の故郷でもある須賀川市で
素敵なトークイベントが開催されました。
それが『特撮塾@ふくしま』です。
文化庁主催、福島県、須賀川市共催の
トークセッション
“特撮塾@ふくしまー特撮を語ろう、未来に向けて”。
このイベントは、京都や北陸、
さらには海の向こう上海など、
県内外200人が参加して開催となりました。
スピーカーとしてお話しを
聞かせてくださったのが登壇者の皆さんが
とても豪華!
エヴァンゲリオンシリーズなどの
監督をつとめ、
今スタジオジブリの最新作『風立ちぬ』では
主人公堀越二郎の声を担当されている
庵野秀明監督、
『のぼうの城』
『隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS』
ローレライなをの監督をつとめて
いらっしゃる樋口真嗣監督、
特撮監督の尾上克郎監督、
ウルトラマンメビウスなどを
手がける原口智生監督、
『男たちの大和』や『のぼうの城』などで
ミニチュア美術などを担当されている三池敏夫監督、
さらにゲストスピーカーとして
株式会社カドカワ 代表取締役専務
井上紳一郎さんが
登壇して開催されました!
特撮の歴史、そして特撮がおかれている
現状などについて2時間のトークセッションが
繰り広げられました。
関係者の方のお話しですと
これだか第一線で活躍されている
監督の皆さんが一堂に会するのは
後にも先にもないのでは、
とのことで、聴いている皆さんも真剣。
左から、株式会社カドカワ 代表取締役専務
井上紳一郎さん。尾上克郎監督、
原口智生を監督、庵野秀明監督、
樋口真嗣監督、三池敏夫監督。
皆さんが口をそろえてお話しされいたのは、
“このままでは、特撮という
文化が失われてしまう”ということです。
撮影で使われたミニチュアなどは、
倉庫に保管されたままで、
保存状態が悪くなり、
中にはそのまま捨てられるものもあり
後世に伝えていく大事な資料が
なくなってしまうとのことでした。
皆さん、円谷監督の故郷である
福島でトークセッションができたことが
とても感慨深いとお話しをされていました。
庵野監督は福島空港を訪れ
ウルトラマンがいたるところに
飾られていることにビックリされ、
町をあげて、特撮を応援していることに
とても感動されていたと
お話しをされていました。
イベント終了後、庵野監督、尾上監督、
樋口監督にお話しを伺いました。
「円谷監督、ウルトラマンがいなければ、
今の自分はない」とお話しをされていた
庵野監督。
「とにかく今の子どもたちにも
特撮に興味を持ってもらいたい。」
「ウルトラマンが大好きで、
そのまま大人になったら、こうなった(笑)」と
話をされていた樋口監督。
特撮への熱い思いを沢山聞かせてくださいました。
特撮の現状に危機感を抱いた、
特撮ファンを自認する
庵野秀明監督を中心に、
この日登壇された監督の皆さんは
昨年「館長庵野秀明 特撮博物館
ミニュチュアで見る昭和と平成の技」と題した
企画展を開くなど、今、
特撮に関する活動をはじめていらっしゃいます。
その活動のステップとの始まりとして
特撮の聖地、須賀川市で開催された
「特撮塾@ふくしま」。
まずは興味をもつこと。
特撮の神様円谷英二監督の故郷、
ウルトラマンの故郷である、
この福島から、改めて
特撮の魅力を発信していきたいですね。
私自身、とても貴重な時間を
過ごさせて頂いた1日でした。