ドナルド・キーン氏講演会~平泉中尊寺~

今回、平泉へお出かけした一番の目的は、
東日本大震災の発生を機に日本国籍取得を決意された
ドナルド・キーンさんの講演会を聴くためでした。
リスナーさんから「うらやましぃ~!ドナルド・キーンさんの
お話しを生で聞くことができたんですね!!しかも平泉の地で!」と
メッセージを頂いていたのですが、本当にそうですよね。
法務省の調べによると、震災直後の一ヶ月の間に、日本から出国した
外国人は、延べ53万1000人だったそうです。
海外の多くの人が、日本を離れる中、震災後に異国である日本へ
永住することを決めたドナルド・キーンさんの表情がとても温かく優しく
それだけで胸がいっぱいになりました。
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金色堂のような派手さはないけれど、とても風情のある
中尊寺の本堂。この場所でドナルド・キーンさんの
講演会がおこなわれました。
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コロンビア大学の名誉教授であり、日本文学研究の第一人者である
ドナルド・キーンさんは現在89歳。
本堂の畳の上に座った約200人を前に、とても流暢な日本語で
今の日本への思いを聴かせてくださいました。
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18歳の時に源氏物語の翻訳を読み、日本文学に感銘を受けたという
ドナルド・キーンさんがこんなことをお話しされていました。

「私の生涯は日本と密接な関係にあり、日本のことを考えない日は
おそらく一度もありませんでした。
私は今までやりたいことをやってきましたから、感謝はいりません。
むしろ私のほうから感謝すべきです。皆さんありがとうございました。」

ドナルド・キーンさんのお話しを聴いていると、
外から見た、日本人の礼儀の正しさや優しさ、日本の風景の美しさを
改めて教えられるような気がします。
もっともっとこの場所が好きなりました。

日帰りの短い旅でしたが、感じるものが沢山ある、得るものがとても多い
平泉での時間でした。