「ネパール」に派遣されていました、平川 佐智恵さん

 「キミノチカラ、海をこえて 〜青年海外協力隊の道」7/16放送

こんにちは、DJイタルです!

もういくつ寝ると夏休みだい?
来週の今頃はもう夏休みかな?
つくづく学生の夏休みがうらやましいですな。
もう暑い日が続きますから、熱中症予防お忘れなく!  


今週のゲストは、先週に引き続きまして108人目。
シニア海外ボランティア 平成20年度4次隊で「ネパール」に派遣されていました、平川 佐智恵(ヒラカワ サチエ)さんです。
職種は「テキスタイルデザイン」です。
福島県いわき市のご出身で、現役バリバリの養護学校の先生でいらっしゃいます。
JICAボランティアは自己啓発休業制度を利用して現職参加されました。
平川さんは2009年3月から2011年3月まで派遣されております。


さて皆さん、テキスタイルってご存知ですか?
なんか響きがカッコイイでしょ?シャレオツな感じッス。
いわゆる手工芸と言われるもので、幅広く織物、染め物の総称だそうです。
ファッション業界などではよく使われる言葉だとか。
こんな職種がJICAボランティアにはあるんです!

平川さんは養護学校の先生でいらっしゃいますが、先生になる前からこのテキスタイルに興味を持ち、東京の織物教室からはたまた海外まで行って染め物・織物を勉強されてきたのです。

では、なぜテキスタイルから国際協力へ?

現職の特別支援教育の先生として研究していたのはテキスタイルや美術教育だったそうですが、もともとは社会科の先生でしたので、海外への興味から途上国で働くことにも長い間関心を持っていたそうです。
教育とテキスタイル、どちらかということではなくて、この2つをつなぐことができるのではないかと思っていましたし、まさに日本の養護学校でもそれを実践していたそうです。
テキスタイルを通して人に向き合うということ。
自分の好きなことをもっと社会的な形に。
というのは、養護学校の教員を志した時から始まっていまして、この気持ちはずっと変わらずに今も持ち続けている、平川さんの軸になるものなのです。
このスタンスは、行く前も帰って来てからも貫かれているのです。


さて、平川さんが派遣された国が「ネパール」です。
ネパールはインドと中国という大国に挟まれた内陸国です。
8000m級の山々が連なるヒマラヤ山脈のイメージもありますよね?
世界最高峰のエベレストなど、ヒマラヤ登山の玄関口になっています。
ってことは、寒いんですよね。そりゃ寒いっすよね。
ネパールの気候は地域差というよりは標高差で決まるそうです。
世界で唯一、国旗が四角形じゃなんです。
見たことあるでしょ?インド料理屋さんのお店の前に飾られた三角形が2つくっついた国旗。日本のインドカレーのお店はネパール人がやっていることも多いんだそうです。笑

そんなネパールで2年間のシニア海外ボランティア生活が始まったのです。

平川さんが派遣されていたのが、ネパールのカトマンズ空港からほど近い場所にある「シャンティ セワ」という障害者支援のNGOだったそうです。
ドイツ人が創設したハンセン氏病支援のクリニック部門がベースになっていて、生活施設もあるそうです。
利用者が300人以上いる結構大きなNGOで、このNGOの福祉就労部門では、縫製、木工、カード製作、シルバーアクセサリー、再生燃料製作、そしてフェルトと様々なセクションに分かれていたそうです。
ここで製作されたモノはNGOの本国ドイツに輸出されるそうです。

平川さんの担当は、もちろんフェルトセクションです。
フェルトセクションには20〜30代の10名の女性ワーカーさんがいて、家族がハンセン氏病で偏見があって地域で働けない人など、全ての人が障害があるわけではないそうです。
このセクションでは、今までもドイツからテキスタイルのボランティアを呼んでフェルト製作をやっていたそうですが、なかなか成果が出ず正直「どうしたらいいのかわからない」存在だったそうです。

一口にフェルト製作と言っても、布を買ってきて商品作りするのではなく、羊毛からフェルト生地を作り出すことから始まります。
羊毛、石けん水、振動、温度、圧力、コレなんの話?って思いますよね。
それぞれを適宜コントロールすることでフェルト生地が出来上がるそうです。
布状はもちろん、球体、袋状などありとあらゆる形に作り出すことが出来て、立体表現を楽しめるのもフェルトの良さなのです。
ただ材料の状態が常に変化しますので素材を理解することがとても大事だそうです。

平川さんがNGOに派遣された時のフェルトセクションは、まさに行き詰まっていたそうです。サイズや重量の課題などがあり、輸出にあった商品開発が望まれていたのです。
分からない存在。行き詰まっていた。そう、困っていたんですね。
むしろ平川さんにとっては、困っていることが良かったのです。

日本の養護学校では障害を持った子供たちに作りやすいモノを考えながら実践してきましたので、日本の実践で培った経験と感覚が活きるのです。
まずは、扱いやすいモノは手のひらサイズという基準を提案したそうです。
大きさの規格はとても重要で、輸出の際の重量にも関係しますし、作り手の労働条件の緩和にも役立ったり、お土産品としても都合が良かったのです。
大きな商品をだんだん小さな商品に切り替えていったのです。
手のひらサイズのネパールに咲くハイビスカスの花や、ネパールにいるゾウやヤクのおもちゃを作ったそうです。
ビックリなのは、それらの設計図は存在しないそうです。
全てのワーカーさんが字を読めるわけではないので、何度も作り直しながら、少しずつ変更を作品に落とし込んで、商品化するそうです。
みんなで作りながら、みんなの意見を取り入れながら、ひとつのカタチにする。
そうして自分が作ったモノや自分たちの仕事が認められることで、それが喜びになり、次のモチベーションになるのです。

ついには、そこから人気商品も生まれ「どうしたらいいかわからない」存在だったフェルトセクションがNGOの事務局からボーナスが出るほど認められたそうです。

それからなんと、ネパールの手工芸品の輸出を管理している「ネパール手工芸協会」からワークショップの要請があり、ワーカーさんが講師として活躍する場面もあったそうです。
作り手だった女性が教える立場になるってことは、自信に繋がるのです。
おおげさでもなく生きるチカラになるのです。


手工芸と社会科学、テキスタイルと特別支援教育。
どれもこれもおもしろく、30年の年月をかけて、ネパールでの開発支援の仕事ですべてが一つになった!と感じたそうです。
でも、平川さんの中ではまだ続いているそうです。
JICAボランティアは通過点、いまも走り続けているのです!



☆ JICA二本松インフォメーション ☆

JICA二本松では現在、平成28年度2次隊の訓練を行っています。
7月7日に訓練所に入所して、訓練も10日目。
シニア海外ボランティア訓練生は早くも残り25日になります。
訓練生の皆さんには1日1日を大切に、多くのことを学んで頂きたいと思います。

さて、今週訓練所では語学訓練以外に予防線種や放射能勉強会が実施されました。それぞれの派遣国で2年間無事に過ごすためには週に1度の予防接種は避けて通れません。
そして、東日本大震災後に設けられた講座が放射能勉強会です。
この講座では放射能に対する正しい知識と理解を持ち、与えられた情報だけを信じるのではなく、多角的に物事を判断することを学びます。

また訓練の中には福島県が実施する被災地視察があります。まだまだ震災の爪痕が残る福島県ですが、全国から集まってくるJICAボランティアには多くのことを吸収してもらえればと思います。

そして今日は、体力テストがあります。語学の成績以外に体力面において現実を突き付けられる訓練生もいるかもしれません。笑
でも、夢に向かって頑張って下さい!

訓練の様子はJICA二本松のフェイスブックで随時更新しています。
訓練生の成長の様子をぜひチェックして下さい!
アクセスはこちら!→http://www.facebook.com/jicantc
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2016年7月16日(gy) 08:30

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