現役の青年海外協力隊員に会いに行く特別編、第4弾! 〜マラウイ〜 「数学教育」で派遣、兼屋 辰紀さん

 「キミノチカラ、海をこえて 〜青年海外協力隊の道」1/14放送

こんにちは、DJイタルです!

いよいよ今週はセンター試験ですね。
おーい、受験生のみんなぁ!
まずは落ち着いて、まずは名前を書きましょうね!
まぁいくら地理の試験でもマラウイの出題はないと思いますが・・・
お役に立てず申し訳ありません。

でも、応援しておりますよ!ガンバレ受験生!


さ、いよいよ7週目です、海外取材特別編!
2012年セネガル、2013年フィリピン、2014年ヨルダンに続きまして、
現役の青年海外協力隊員に会いに行く特別編、第4弾!
7週連続企画、年末年始もまたいでのアフリカ「マラウイ」特別編!
ここまでマラウイを取り上げた番組が他にあったでしょうか?
ここまでマラウイを連呼した番組が今まであったでしょうか?
たいへん名残惜しいんですが・・・今週がマラウイ編最終回です。
BGMは、風に立つライオンかサライをお願いします。

ま、こうして毎週マラウイのコトを考えたり、取材した音声を聞いたりしていると、マラウイに行っていたのが最近のコトのように思えるのです。
これで当分は、マラウイロスになるかもしれんね・・・


今週のゲストは先週に引き続き、今まさにマラウイで活動しております、
青年海外協力隊 平成26年度3次隊 「数学教育」で派遣されています
兼屋 辰紀 (カネヤ タツキ)さんです。
南国 沖縄県のご出身です。
現在25歳、新卒派遣の若い協力隊員です!
で、兼屋さん若いんだけど、もう中間管理職くらい落ち着いてるんです。笑
人前で話し慣れてるから?緊張の欠片も無いっすね。笑


マラウイの首都リロングウェから車で約4時間、兼屋さんが活動する‘マンゴチ’という町にやって来ました!
先週も汗だくでお伝えしましたが、このマンゴチという町、まぁクソ暑い・・・
あら失礼、お口が悪うございましたね。笑
まぁそのくらい暑いってことで、ご容赦いただきとうございまする。
日本とは季節が逆ということで夏を覚悟してマラウイに来たんですが、思いのほか涼しくて拍子抜けしている所に、急に夏が来たもんだからついね。やっぱ暑いんかい!って。笑
まぁ暑くてあまり住みたくないって現役のマラウイ隊員が言うんですから間違いっすよね。笑


兼屋さんは、このマンゴチという町にある公立のセカンダリースクールに派遣されています。
セカンダリースクールとは、日本で言うと中高等学校になるそうです。
日本の中学3年から高校3年くらいの子供達が通う学校です。
マラウイの義務教育はプライマリースクール(小学校)の8年間のみですので、このセカンダリースクールからは試験を受けて進学します。
小学校からの進学率は、おそらく10%くらいだそうです。
このマンゴチ中高等学校には約320人の子供たちが通っているそうですが、そのほとんどが親元を離れ寮生活をしているのです。
マンゴチ県内のいろんな地域の小学校からこのセカンダリースクールに進学してくるのです。同じ県内でも片道2時間以上かかる子供もいるとか。
男子寮を見せて頂きましたが、所狭しと2段ベットが並び、1部屋に10人くらいの子供たちが生活しているようです。
もちろん女子寮もありますが、さすがにおじさん5人のグループに門戸が開かれることはなく、見ることはかないませんでした。当たり前です。
なんとこの学校、日本のアイドル並に男女交際が禁止だそうです。
みんな学校の敷地内の寮で生活していますから、そりゃすぐにバレるがな。
二人でいればすぐに噂になるそうですよ。
なんか協力隊の訓練所みたいですね?笑
まぁ訓練所は男女交際が禁止されてはいないと思うんですが・・・
まぁ協力隊は節度を持った大人の皆さんですからね、言わなくてもね。笑
マジックもイリュージョンも節度ある人間関係のカタチと言うことで・・・

スミマセン、話が脱線しました。

なんと、この学校の校長先生は日本に来たことがあるそうで、日本語で「私は校長先生です」と笑顔で自己紹介していましたよ。またこのカタコト感がかわいいんです。笑。
日本からの訪問者に嬉しそうでしたね。
この校長先生の笑顔からも兼屋さんが愛されていることが分かります。

兼屋さんの職種が「数学教育」と言います。
ようは数学の先生ですね。
早速、兼屋さんが担当する数学の授業を見せて頂きました。
1クラス40人、1コマ40分がセカンダリースクールの授業スタイルだそうです。
兼谷さんは2コマ続けて80分の授業を行います。どうしても40分では短いと言うことで時間割を調整しているそうです。

このセカンダリースクールでは4年生のクラスから優先的に机があるので、1年生ではイスしかないクラスもあるそうです。
今回見学させて頂いた授業は2年生で、生徒分のイスと机があるクラスでしたが、1年生の時はやはりイスしか無く、作図の授業では膝の上でコンパスを使うような場面もあったそうです。

教科書はと言うと、公式の教科書は存在するそうですが生徒全員に行き渡ることは無いそうです。ただこの学校はまだ良い方で図書室で閲覧することは可能だそうです。他の学校では教科書を見ることなく卒業することも。

机、イス、教科書、限られた環境の中でどう授業を進めて行くのか。
モノが無い。これは教育系に限らず青年海外協力隊に与えられた課題なんですよね。

兼谷さんの授業では、教科書が無くても出来るように、まずは黒板に板書をして説明。そして例題、課題に取り組ませるそうです。
これは板書をノートに書かせることで、教科書が無くてもノートを見直すことで、後からも勉強ができるようにするのです。

実際に授業を見せて頂きましたが、子供たちはとても積極的で先生が問いかければ自然と手が挙がるし、課題を解いた生徒たちはまだ終わってない生徒を手伝い、生徒がお互いに教え合うコトが当たり前なのです。
クラスみんなで授業を作っているようなアットホームな印象でした。

大学進学や高校卒業の国家試験など中高等学校が目指す目標はあるそうですが、あまり先を見ずに、授業の今を大切にしているそうです。
今分かったか、今理解しているか。
子供達の反応も素直に伝わってくるので、その感触を大事にしているのです。
今が未来を作っているなら、授業の今を大切にしたいそうです。

でなんと、兼屋さん数学の先生なんですが‘音楽’も教えているそうです!
え、音楽?って思うでしょ?
実は日本からマラウイにリコーダーが贈られているそうです。
その一部をセカンダリースクールにも分けて貰って、課外授業というカタチでリコーダーを教えているのです。
セカンダリースクールには音楽の授業は無く、小学校ですら音楽の授業が無い学校もあるそうです。
子供によってはリコーダーを見たこともないのです。
放課後に子供たちを集めてリコーダーを教えると、ついには卒業式に国歌とアメージンググレイスを披露したのです。スゴイでしょ?
スゲェのは兼谷さんですよ!音楽って簡単に教えられるの?
小学校の時にピアノをやっていて、楽譜が読めるくらいの音楽力はあったそうです。さすがJICAボランティア、いろんな特技や技術があるもんです。

音楽は課外授業でしたので、数学の授業とはまた違った兼屋先生が見れたようで、子供たちも喜んでいたみたいですね。
数学の厳格な先生から、遊びのような楽しみながらの音楽は自然と笑顔も増えるんでしょうね。
また、音楽を体験した生徒は数学の授業でも積極的になったり、子供達にも変化が感じられたそうです。
より兼屋さんを身近に感じることで授業に対する姿勢が変わったのかもしれませんね。

音楽の授業が、数学の授業に良い変化をもたらす。
一見すると関係ないように見える活動も、実は繋がっていたり、相乗効果を生んだりするのです。

本来のシゴトとは関係ない活動が、人間関係を深めたり。
人間関係が上手くいくことで、本来の活動が動きだしたり。
本来のシゴトが回りだすと、また新たな出会いや変化を生みだす。

いろんなコトやモノが繋がっていく、青年海外協力隊。


青年海外協力隊は、
与えられた要請内容だけをこなすのではなく、実際に現地で生活をして、本当に必要なことは何かということを見つけ出し、行動に移していくことが本当の意味で求められている活動なんですよね。

目で見えることばかりじゃない。
数字で計れることばかりじゃない。
それがカタチになるのはずっと先の未来かもしれない。
それでも、だからこそ、目の前の今を一緒に頑張るしかない。

今が未来に繋がっているなら。
どんなに小さくても、一歩踏み出してみる。

始まりは小さな一歩から。
キミノチカラ 海をこえて。
僕たちは、そのチカラを信じています。



今回のマラウイの取材旅で新たな発見だったのが、比べて見るってコトです。

小学校と中高等学校。
地方の中核病院と首都の中央病院。

それぞれを対比させて見ることで、いろんなモノが見えてきたのです。
同じ教育の現場、同じ医療の現場でも、それぞれの角度で見せて頂くことで、それぞれの良い所、それぞれの課題を見ることができました。

学校も病院も共通して言えることは、人を育てることが必要ってコトです。
教育に携わる人を育てる。
医療に携わる人を育てる。
‘育てる’ってコトは、教育から子供を育てるコトもとても大切なんですが、大人の意識を変えるコトも人を育てるコトだと思うのです。

青年海外協力隊の大きな役割のひとつが、人を育てる「人づくり」です。

文化、風習、宗教、環境、地域、意識、モラル、格差などなど、ボランティアだけではどうすることも出来ない根深い課題も、正直あると思います。

それでも、
そこで生きる青年海外協力隊だからこそ出来るコトがあるのです。
任国内全土に派遣されている協力隊のネットワークだからこそ出来るコトがあるのです。
様々な職種、いろんなキャリアの協力隊だからこそ出来るコトがあるんです。

人づくりが、国づくりになる。
国づくりが、子供たちの未来を創る
青年海外協力隊は、未来を創っているのです。


一方で、経済発展することが国づくりなのでしょうか。
今、世界中で急速に開発途上国の経済発展が進んでいます。

先進国や新興国の海外進出に後押しされるように。
経済発展のスピードに社会のルールやモラルが追いついていない途上国が多い中、それでも毎年経済成長を続けている。

マラウイはまだそこまで経済発展の波に巻き込まれていませんが、じゃ本当にこのまま経済発展することが正しいのでしょうか?それを望んでいるのでしょうか?それが幸せなのでしょうか?

マラウイは世界の最貧国と言われていますが、自然豊かな農業国であるため食べ物には困らないそうです。物質的に足りないモノは多いかもしれないけど、家族が生きていくための食べ物はある。

家族と一緒に生きていくコトが幸せであれば、マラウイはとても幸せな国であると思うのです。

経済発展が幸せなのか。
お金があること、モノがあることが幸せなのか。
何もないことが幸せなのか。
何も知らないコトが幸せなのか。
知った上で選択できることが幸せなのか。

「幸せ」とはいったい何でしょうか?

マラウイの夜に、お酒を飲みながらみんなで語り合いましたが、答えは見つかりませんでした。

多分、答えはないと思います。



ただ、マラウイには人に「幸せ」を感じさせる笑顔がありました。
子供たちの笑顔はもちろん、おじいちゃんの笑顔がとても印象的だった。
外国人の僕たちを見た瞬間、誰に誘われるわけでもなく笑顔で手を振ってくれた。
しわくちゃの顔がもっとしわくちゃになって笑っていた。
大人になってあれだけ邪気のない笑顔ができるだろうか。
ファーストフードで無料で配られているスマイルじゃなくて、自然に沸き上がる笑顔。
自然と溢れてくる笑顔って、こっちも笑顔になる。
なんか嬉しくなる。ほっこりする。
「幸せ」を感じることができる。
誰かを笑顔にできる笑顔って、損得でできるもんじゃないですよね。
Natural Smile.

その笑顔こそが、まさに「マラウイ」という国なんだと思います。


今回の取材で、本田さん、山アさん、兼屋さんのインタビューをはじめ、たくさんの収録をさせて頂きましたが、放送時間の都合上、泣く泣く編集してしまった部分も多くありました。
出来るだけ多くの話を、出来るだけ多くの人にお届けしたいと、試行錯誤しながら、編集・放送をさせて頂きました。
また、放送で足りない部分や旅のウラ話は当ブログ等でもご紹介させて頂いております。

マラウイで出会った青年海外協力隊員の皆様、JICAマラウイ事務所の皆様、JICA二本松・関係者の皆様、二本松市役所の石井さん、旗山さんなど、

このマラウイ取材にご協力を頂きました皆々様、
本当にありがとうございました。

出会ったすべての方と、その出会いに感謝します。

Zikomo!





☆ JICA二本松インフォメーション ☆

2016年度4次隊の訓練が1月5日から始まりました!
訓練の様子はJICA二本松ホームページやフェイスブックでお知らせいたします!

アクセスはこちら!→http://www.facebook.com/jicantc
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2017年1月14日(gy) 08:30

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