「シリア」に派遣されていました、菅野 洋二さん

 「キミノチカラ、海をこえて 〜青年海外協力隊の道」8/6放送

こんにちは、DJイタルです!

先週は教師海外研修に参加される先生方にご出演いただきました特別編をお送りしました!
そんな先生たちは無事にガーナに着いて、さっそく研修が始まっているそうです。
教師海外研修の様子はぜひJICA二本松のfacebookをチェックして下さい!
なにやら楽しそうでしたよ。

さぁて、通常営業に戻りますよ〜!
109人目のゲストさんでしたね。
シニア海外ボランティア 平成21年度1次隊で「シリア」に派遣されていました、菅野 洋二(カンノ ヨウジ)さんです。
職種は「繊維」です。
もう元気なお父さん、御年67才です!
福島県飯野町のご出身です。
菅野さんは2009年6月から2011年4月までシリアに派遣されております。


菅野さんが派遣された国が、中東「シリア」です。
ここ数年、ニュースなどで多く耳にした国のひとつですよね。
正直、危ない国?危険な国?というイメージもあるかもしれません。
現在でも外務省から退避勧告も出ておりますし、今だシリア騒乱の解決は見えず現在進行形の国際問題になっています。
しかし、シリア内戦やアラブの春以前には多くの青年海外協力隊が派遣されていた穏やかな国だったそうです。
ニュースで見るシリアとはまるで違った、穏やかな生活があったのです。

地中海に面して、北にトルコ、東にイラク、南にヨルダン、西にイスラエル、レバノンと隣接する中東の国です。
中東と聞くと暑いイメージがあると思いますが、地域によって冬は雪が降るそうです。とは言っても冬は大変短いそう。短い秋、冬、春が過ぎるとあっという間に30℃を超える夏がやってくるそうです。でもカラッとした乾燥した気候で過ごしやすいとか。
しかし、こう言った地域の人達は昼間はあまり外に出ないそうです。陽が出てる日中はあまり行動せず、陽が落ちて涼しくなってから活動する夜行性のようなんです。笑。夜中の12時までお茶を飲んで楽しんでいたそうです。

中東と言えばアラブ料理!ホブスと言われるパンに、ひよこ豆のペーストやオリーブオイルをつけて食べる。これまた美味いんですよね!
イスラム教の国ですので豚肉やお酒は口にしませんが、その他のお肉料理なんかとても美味しくて、日本人の口にもきっと合いますね。
まぁ隣国ヨルダンで食べたアラブ料理の個人的な感想ですが。笑

シリア人はとても親切で道に迷っていれば必ず声をかけてくれるそうです。
困っている人は助ける、お互い様の気持ちが大きいのです。


菅野さんが派遣されたのは首都ダマスカスにある公立の繊維専門学校です。
18〜20才くらいの生徒が通う専門技術を学ぶ学校なんです。
ここで「繊維」の技術指導者として現地の先生に織物の知識・技術を伝えることがシゴト。基本的には先生へアドバイスするポジションなんですね。
菅野さんは日本では織物の工場を経営しておりましたので、織物機を使っていろんな生地を作り出すプロフェッショナルなわけです。
当然、作り出す技術だけではなく、織物機の使い方やメンテナンスという部分でも大活躍するのです。

この専門学校には日本からのODA(政府開発援助)で導入された織物機があったんですが・・・動いておらず。
導入された当初は、担当の先生も1ヵ月の研修を受けて織物機を動かしていたそうです。
が、故障があったりトラブルがあると経験値の少ない先生たちではどうすることもできず、結局そのまま放っておかれていまい、数年間動いていないって状況になってしまっていたのです。
実はこれも途上国でありがちな状況で、修理・メンテナンスが出来ずにせっかくのモノが機能しない状況になってしまったりするのです。
こう言った維持管理を含めた人材の育成というのも国際協力の大きな目標であり課題でもあるのです。

菅野さんの大きなシゴトは、まずこの専門学校の織物機を動かすことだったのです。何年間か動いていなかった機械を動かすっては大変だそうです。
なんで動かないのか?原因の究明から始めなければなりません。
工業用の織物機ですので、そりゃ大がかりですよ。
ひとつひとつ部品や箇所を確認しながら、原因を探ります。
いろいろな可能性を考えながら、織物機の再始動を目指したのです。

そしてついに、数ヶ月をかけて機械が動きだしたのです!
その時の先生や生徒の驚きと喜びの表情は忘れられないと言います。
菅野さんは、一番の教育は実際に織っているところを見せるコトだと思い、織物機の再始動に時間と労力をかけていたのです。
今までは先生が説明するだけだった授業が、実習というカタチで生徒に見てもらえるようになったコトは、生徒にとっても学校にとっても大きな変化になったようです。

そして菅野さんのこの技術は専門学校だけではなく、民間の工場にまで名声が届くことになるのです。
シリアの繊維産業が盛んな地域の工場にも訪問して見て回ったそうです。
大規模な工場ですら機械のメンテナンスなどでも必要なコトが行われていなかったり、商品の管理やチェック体制にいたるまで、菅野さんからアドバイスすることも多かったようです。

工場経営の経験があったからこそ、いろんな角度から指導、アドバイスが出来たんですね。それこそシニアボランティアの強みですよね!

さて、菅野さんが派遣されていたのが2009年6月から2011年4月まで。
そうなんです、ちょっと派遣期間が短いんです。
これはアラブの春からシリア内戦により政情不安となり、日本人は国外退避となってしまったからなんです。
正直、それまでシリアで身の危険を感じたことも無かったそうですし、避難が指示されたその時ですら、なぜという思いが強かったそうです。

今、本当にシリアに派遣されて良かったと感じているそうです。
大きく自分の人生を変えた協力隊とシリアという国。
いつかシリアに恩返しがしたい。シリアの役に立ちたい。
ニュースで見るシリアが全てじゃなくて、その裏側にある穏やかなシリアの生活を知っているからこそ、シリア人の幸せを願わずにはいられないのです。

菅野さんの夢は、もう一度シリアに行くこと。
早く終息して、またいつかシリアに行けることを信じています。



☆ JICA二本松インフォメーション ☆

現在JICA二本松では、2016年度2次隊163名が訓練を受けています。
本日午後から行われる講座「任国事情」や「職種別活動セミナー」では、最近まで派遣されていたJICAボランティアを訓練所に招き、これから派遣される訓練生と派遣国についての情報共有を図ります。
先輩隊員だけあって、言葉に説得力もあり訓練生の不安を払拭してくれることでしょう。

そして来週8月10日はシニア海外ボランティアの修了式が行われます。
7月7日に入所した19名のシニア海外ボランティア候補生は35日間の訓練を終え修了証書を手にします。

訓練の様子はJICA二本松のホームページ、facebookで随時更新しています。
訓練生の成長の様子をぜひチェックして下さい!
アクセスはこちら!→http://www.facebook.com/jicantc
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2016年8月6日(gy) 08:30

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