「ヨルダン」に派遣されています、副田 麻理子さん

「キミノチカラ、海をこえて 〜青年海外協力隊の道」10/4放送

アッサラーム・アライクム!
おはようございます、DJイタルです!

いや〜、だんだんと日本の生活に慣れてきましたねぇ。

なぜかって?
イスラム教の国は、早起きなんです!
と言うか、早く起こされるのです!

皆さん「アザーン」って知っていますか?

イスラム教の国では、朝から町中に大音量で「アザーン」が流れるのです。
アザーンって言うのは、モスク(礼拝堂)から流れてくる礼拝への呼びかけのこと。
イスラム教徒が1日5回行う礼拝の時間になると町中に流れるのです。
生声でやることが多いそうで、朝からちょっとしたライブなんですね。
まぁ、朝の5時くらいから、町中に響き渡る大音量ですから、寝ていても絶対に起きます。
イヤ、起こされますっ!
最初は何事かと思いましたが、まぁ3日くらいで慣れますがね。笑

今回の収録では、なんと生アザーンと、生コーランも収録させて頂きまして、
こりゃかなりレアですぜ!
番組のなかでもご紹介しますが、やっぱ生は違うのですよ。
アジュルン職業訓練校自動車科のオマリー先生の生声でしたが、放送の尺(時間)によって、読み分けてくれたんです。スゴイでしょ?
コーランにも節と言うか、章によってもいろんな長さがあるそうで、無理なお願いを快くきいて頂きました。
オマリー先生ありがとうございました!


さ、アザーンで目が覚めたところで、
今週も〜、現役の青年海外協力隊員に会いに行く特別編、第3弾!
中東はヨルダン編です。

今週のゲストは先週に引き続き、今まさに活動中の
青年海外協力隊 平成25年度1次隊として「ヨルダン」に派遣されています、副田 麻理子(ソエダ マリコ)さんです。
職種は「服飾」です。
福岡のご出身ですが、なんと、副田さんのお母さんが東北・宮城県のご出身。
副田さんには東北の血が流れているのですよ!
東北人のハーフです。

副田さんが派遣されているのが、ヨルダン北部の町「アジュルン」
このアジュルンの職業訓練校に服飾インストラクターとして派遣されています。
現地のインストラクターへの服作りの指導に重点を置きながら、この学校に通う女子生徒への指導も一緒に行っているそうです。

派遣されて1年。
やっと1年で、満足のいくような授業ができるようになってきたそうです。
生徒たちが楽しめる様な授業内容を考えて、ゲームなどを取り入れながらの授業は、生徒達が興味をもって笑顔で取り組んでくれるようになったそうです。

まぁ最初から上手くはいかないもんで・・・
ある時、パートナーのインストラクターが、生徒たちの実力を見るためにテストをしようとしたら、生徒達に大反対されたそうです。
怒る子から、泣き出しそうな子まで、今にも暴動が起きそうなくらい。

副田さんも、日本的に知識を計るためにテストをやりたいと思っていたので、まさかこんなにテストが嫌悪されるとは思っていなかったそうです。
たしかに日本でもテストはあまり歓迎されないけど、節目では必要なモノだし、統一的にレベルを計るモノとしては必要かと思いますしね。
まぁ単純に当たり前、と思ってしまってはいますよね?

でもそれが日本的な考えなのかも・・・
それは日本的考えの押しつけなのかもしれないと、副田さんも考え直したそうです。

その場で必要なモノは何か?
彼女たちに必要なモノは何か?

はじめはパートナーにさえ、なぜ自分のレベルに合わせて出来ないんだろうと考えてしまうこともあったそうです。
でも、少しずつ変わっていきます。
自分の目線でなく、相手の立場になって考えて、相手に寄り添って実際に行動してみることが大事だと言うことを学んだそうです。

頭では分かっていても、実際に行動するのは思っている以上に難しいですよね。

まず落ち込んで、それで悩んで、なんとか考えて、やっと気づいて、そして行動する。
けっこう道のりは長いのです。

でも、ここに気付いてからは意外と早いです。
見え方が変わると、自分が変わる。
自分が変わると、相手も変わる。

これも青年海外協力隊が、誰もが通る道かもしれないですね。


やっぱり教科書やマニュアルは存在しないみたいです。
現地のインストラクターが考えた1年を通したプログラムはあるそうですが、
なかなか予定通りには進んでいかないらしい。
それでも杓子定規に進めるのではなく、生徒達が楽しんで続けられるようにパートナーと一緒に考え工夫していくのです。

まずは、生徒が楽しんで、自主的に参加することを大事にしているのです。

実はこうして授業を進めていくのにも、理由がある。
と言うか、通っている女性たちにも様々な環境があるのです。

職業訓練校ですから、技術・知識を学ぶことが大事。
得た技術や知識をシゴトとして活かしていくことが目標でもあります。

しかし課題として、女性の就職率が低いのが現状だそうです。
特に地方など、地域によっては、かなり就職先が少ないのです。
宗教的にも、女性は外で働かなくてもいいと考えている親も多いそうです。

子供たち本人は働きたいけど、シゴトがない。
親は、結婚するまでは家の手伝いをしていればよいと考えている。

なんとか意識改革をしていきたいと副田さんは言っていましたが、
それでも、宗教・文化・風習ですから、むりやり変えることはできない。
そこにいる人たちが、自ら変えていかないと意味がないんですよね。
これにはやっぱり時間がかかります。

それでも、この職業訓練校は、引きこもりがちな女性が家を出るキッカケになったり、同じ世代の女性が交流をする場にもなっているそうです。

就職だけでなく、いろいろな機会を与える場所であるのも事実なんです。
ここに通うことができる女性にとって、とても大切な場所でもあるのです。


さて、副田さんの私生活も気になりますが・・・
なんとヨルダンで一人暮らしだそうです。
イスラム教の世界では女性の一人暮らしと言うのは、かなり珍しいのです。
女性が一人で町を歩くことすら見かけることの少ないイスラムの国で、
なんと人生初めての一人暮らし。
かなりの勝負ですね〜。

同僚から、近所の人から、大家さんから、
周りのいろんな人に支えられ、助けられ、生きていることを実感するって。

特に年上のカウンターパートは、とても穏やかで優しく。
いつも妹のように心配してくれるそうです。
パートナーがこの人で良かったと思える、とても大事な存在だそうです。

この1年で得られたことは、ホントに‘人の縁’だそうです。
訓練所から始まった協力隊の出会い、そしてヨルダンで出会った人、
日本人だけで無く、いろんな人種の人から、いろんな刺激を受けている。
良くも悪くも、って言っていましたが。笑
自分が良い方向に変わって行くチカラを、まわりから得ているそうです。


そしてもうひとつ。
副田さんがこのヨルダンの一人暮らしで得たチカラとは、
ゴキブリ退治!!
「だって、誰も助けてくれないんだもん!」
帰ったらいるし。戦うしかない。
負けられない戦いが、そこにある。
一人暮らしって、そう言う強さも身につくんですね。笑


副田さんが、青年海外協力隊としてヨルダンにきて、
もう一年。
まだ一年。
やっと一年。
残り一年。

何が出来るか日々考えるし、
あと一年で自分の持っているモノを出来るだけ伝えたいって。
はやる気持ちもあるし、いつも頭の中がグチャグチャしているって。

正直ですね。笑
でもそれでいいんじゃないですかね?
いろんな気持ちがあって当たり前。
自分ができるコト、したいコトが溢れてくる。
限られた時間の中で、残された時間のなかで、いったい何ができるだろう。
焦っても、一生懸命でも、精一杯でも、同じ一年。


これまでの一年は、ヨルダンに慣れることに、やり方を覚えることに、言葉を学ぶことに精一杯だったけど。
これからの一年は、今までの一年に出来なかったことを精一杯やりたい。

今まで考えてきた授業のプログラムの実践はもちろん、
他の地域の訓練校の先生にも、ワークショップなどを通して、日本の技術を伝えたいそうです。
自分が生徒に伝えられるコトは限界があるけど、インストラクターや先生に伝えることが出来れば、ゆくゆくは生徒たちに伝わっていく。
そこから大きく広がっていく可能性がある。
間接的でも、日本の服づくりの技術を広く伝えていきたいそうです。


生徒ががんばって服を作っている姿が嬉しいのです。
生徒が服づくりに関係する仕事に就職できたことが嬉しいのです。
人を通して、服を通して、改めて「服づくり」が好きになったそうです。

日本の服づくりをヨルダンへ。

最先端を追い求める服づくりから、
服を通して若い人材の人づくりに。

今度は人を育てていきたいそうです。
ヨルダンの延長に、次の夢もある。
人に伝えるコト、教えるコトに、喜びを感じる。
人が育っていくことがとても嬉しい。
日本の技術をヨルダンに伝え、
ヨルダンで得たことを、ゆくゆくは日本にも還元したいそうです。
それは、ずっと繋がっていくのですね。

服づくりから、人づくりに。

どんな職種でも、協力隊の大きな役割のひとつが「人づくり」
人づくりが、国づくりになる。
国づくりが、子供たちの未来を創る。

青年海外協力隊は、未来を創っているのです!


青年海外協力隊
それは生産性や費用対効果だけで、はかれるものでは無い

そもそも僕たちが持っている物差しと、現地の彼らが求めている物差しは違うのかもしれない
でもそこで諦めるのではなく、むしろそこからがスタート

少しずつ図りながらピースを埋めて行く
1つのピースが見つかれば、またそこから繋がっていく
彼らが持っているピースと僕らが持っているピースをひとつひとつ合わせてみる
一つ一つの地道な作業が、一枚の未来を作って行く

協力し合えば、新しいピースを作り出すこともできる
持っているモノだけが全てじゃないのです

完成図や説明書なんて誰も持っていない
出来るモノを持ち寄って、創造していく

二年間で完成するものでは無いのかもしれないし、多分完成なんてない
それでもひとつひとつ目の前のピースを埋めていくのです。



同じ国の中でも、
青年海外協力隊の派遣される環境も様々です。

今ヨルダンにはシリアからたくさんの難民が避難して来ています
シリア難民のキャンプにも、青年海外協力隊が派遣されています。
今回の取材では、シリアの難民キャンプにも伺いました。

難民の彼らが欲しいもの、望むものはいったい何ですか?
水?食料?衣類?お金?シゴト?学校?
思わぬ答えが返ってきた。

「家に帰りたい」と答えたそうです。
モノやお金じゃなく、
帰る家と、そこで家族と暮らす日常。
祖国にあった、当たり前の日常。

新しいモノではなく、今まであったものが欲しいと。
僕たちも震災で感じた、かけがえのない当たり前の日常。

僕たちには一体何ができるのだろう

自分たちではどうすることも出来ないことがある。
でも、青年海外協力隊にしかできないこともきっとある。

協力隊員と触れあう難民キャンプの子供たちの笑顔を見て確信しました。

まだまだ日本のチカラが、出来るコトがあるんです。
まだまだ日本のチカラが、必要とされているんです。


世界の現実を嘆くより、出来るコトからやってみる。
青年海外協力隊は、小さな一歩からはじまる。

副田さんが言っていました、

人生一度きり。
わがままじゃなくて、欲張りになる。
あれもしたい、これもしたい、欲張りになって追い求めて欲しい。
どんなことでもチャレンジ。
その小さな一歩が、大きな可能性に広がる。って。


始まりは小さな一歩から、
‘キミノチカラ 海をこえて’
僕らは、そのチカラを信じています。


今回の取材で、副田さん・室井さんのインタビューをはじめ、たくさんの収録をさせて頂きましたが、放送時間の都合上、泣く泣く編集してしまった部分も多くありました。
出来るだけ多くの話を、出来るだけ多くの人にお届けしたいと、試行錯誤しながら、編集・放送をさせて頂きました。
また、放送で足りない部分は、ブログ等でもご紹介させて頂いております。
当ブログ以外にも、Teatime Paradiseのブログもご覧頂けたら幸いです。


ヨルダンで出会った青年海外協力隊員の皆様、JICAヨルダン事務所の皆様、JICA二本松・関係者の皆様、教師海外研修の8名の先生方など、

このヨルダン取材にご協力を頂きました皆々様、
本当にありがとうございました。

出会ったすべての方と、その出会いに感謝します。

シュクラン ジャズィーラン。
2014年10月4日(gy) 08:30

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